冷たいものと腰痛の意外な関係②

〜体の内側から温める食生活で、腰痛予防〜

前回の記事では、冷たい飲食物が体を冷やし、内臓疲労や血流の低下、自律神経の乱れを通じて腰痛を引き起こす可能性があることをご紹介しました。

今回は、腰痛の予防・改善に向けて、日常生活の中で「体の中を冷やさない工夫」と「温める食材・飲み方」について具体的に解説していきます。


冷えないための生活習慣とは?

日常的に体を冷やさないようにするには、以下のような習慣が大切です。

1. 飲み物の温度に気をつける

・冷たい水やジュースよりも、常温または白湯(さゆ)を選ぶ ・コーヒーや緑茶は身体を冷やしやすい性質があるため、控えめに ・生姜湯やハーブティー、ルイボスティーなど、体を温める飲み物を取り入れる

2. 食事に温かいものを加える

夏場でも一品は温かいスープや味噌汁を取り入れると、内臓の冷えを防ぐことができます。 また、冷たい麺類を食べる際も、温かい副菜や飲み物をセットにしましょう。

3. 冷たい物の“食べすぎ”を防ぐ

アイスや冷たいお菓子は週に1〜2回程度までにとどめ、食べる時間も「夜」より「昼間」にする方が冷えにくくなります。


腰痛を遠ざける「体を温める食材」

東洋医学では、食材にも「体を冷やす」「体を温める」という性質があると考えます。以下のような“温め食材”を積極的に取り入れましょう。

◎ 温める食材の例:

  • 生姜(ジンジャー):血行促進効果が高く、冷え対策の代表格
  • ネギ・ニンニク・玉ねぎ:体を温め、免疫力もアップ
  • かぼちゃ・ごぼう・人参:根菜類は体を温め、胃腸を整える
  • 鶏肉・羊肉:温性の肉で、体力が落ちやすい時にもおすすめ
  • 味噌・納豆・醤油などの発酵食品:腸を整えて体内環境を温める

また、香辛料(シナモン、クローブ、八角など)も適量であれば冷えの改善に役立ちます。


意識したい「食べ方」のポイント

どれだけ良い食材を選んでも、食べ方を間違えると効果が半減してしまいます。

 よく噛んで食べる

しっかり噛むことで胃腸の負担が軽減され、消化吸収がスムーズになります。内臓疲労の予防にもつながります。

 朝食を抜かない

朝は体温が最も低いため、温かい食事をしっかり摂ることで1日を冷えにくい状態でスタートできます。

 寝る前の冷たい飲食物を避ける

寝る直前に冷たいアイスや飲料を摂ると、夜間の体温調整が乱れ、自律神経に悪影響を与えることがあります。


腰痛に悩む方へ伝えたいこと

腰痛は、筋肉や姿勢だけの問題ではありません。体の深部、特に内臓の働きや温度も大きく関係しています。食生活の見直しは、鍼灸や整体などの施術効果を高め、再発予防にもつながります。

とくに「腰が重だるい」「季節の変わり目に痛みが出る」「朝がつらい」という方は、内臓の冷えが関係している可能性が高いです。

まずは今日から、「冷たい飲み物を控える」「温かい味噌汁をつける」など、できることから始めてみてください。


まとめ

冷えによる腰痛を防ぐには、体を内側から温める意識が重要です。

・飲み物の温度に注意する ・温かい食材やスープを取り入れる ・生姜や根菜、発酵食品などを活用する ・食べ方の工夫で内臓への負担を減らす

こうした小さな積み重ねが、腰痛の改善や予防につながっていきます。